各地から強力なバンドが集うスラッシュ・メタルのイベント「Obscene Ritual Vol.37」が、5月1日に東京・新宿Wild Side Tokyoで行われる。イベントの主催バンドである、横浜のスラッシュ・メタル・バンドCODE REDのメンバー4人のインタビューをお届けする。
CODE RED:上写真左から、Yuichi'ishitta'Ishiguro(G)、AxKxI Shimizu(B)、Tomohira Inoue(Dr)、Izuru Inoue(G&Vo)


LiveLand(L): まず最初にCODE REDのバンド紹介からお願いします。

Tomohira Inoue(T): CODE REDの前身となるバンドがあって、それを始めたのが90年代後半だった。横浜や横須賀で活動をしていたけど、当時は細かいジャンルなんかは気にせず、好きな音楽をやるって感じでね。東京でライヴをやるようになった時、CORALというスラッシュ・メタルのバンドと共演して、物凄い衝撃を受けてね。俺たちこのままじゃダメだ!と思って、自分たちが何をするべきかを真剣に話し合った。そして、METALLICAやSLAYER、SODOMといった俺たちのルーツであるスラッシュ・メタルを追及しようと決めたんだ。バンド名もCODE REDに変えて再出発したのが2001年だった。

T.inoue code red

Tomohira Inoue(Dr)

L: バンドのプロフによると、今の4人の編成になったのは、2013年とあります。この時期の話をしていただけますか?

T: 最初から一緒だったベース&ヴォーカルのNariaki Takahashiが抜けて、バンドが俺とIzuruだけになってバンドが活動できなくなったんだ。その時、昔から知り合いだった(Yuichi 'ishitta') Ishiguroが声をかけてくれたから、ギターとして加入して貰った。ベースはFASTKILLというバンドのJiro (Mochizuki)がサポートで手伝ってくれたから、それでライヴ活動を再開したんだけど、彼のスケジュールが合わない事が多くなってしまい、今のAxKxI (Shimizu)に手伝って貰う様になった。AxKxIは最初はサポート・メンバーだったけど、俺としては、ずっと正式にメンバーになって欲しかったから、何度も電話して口説いて、やっと一昨年バンドのメンバーになってくれた。(笑)

L: 最初はIzuruさんはギター専任だったんですね?

Izuru(I): そう。最初はベースのTakahashiが、ヴォーカルも兼ねてたから。彼が辞めた時、抜けたのは1人だけど、パートは2つ失ってしまった。それではいくら何でもバンドとして厳しいから、俺がヴォーカルを兼ねることにした。それからはずっとギター&ヴォーカルでやってる。

L: スラッシュ・メタルといっても幅が広いですが、CODE REDの音楽は、どんなスラッシュですか?

I: 曲を作っているのは俺だけど、ずっと好きで聞いていたのがSLAYERやSODOMだから、雰囲気的には近いものがあるね。

Izuru Inoue(G&Vo)

Izuru Inoue(G&Vo)

L: 昨年リリースされたチリのバンドとSPLIT EPを聴かせて貰いました。いわゆる高速スラッシュだけではなく、遅い曲もありますね。

I: 'CHAOS/SALVATION'だね。スラッシュ・メタルといえば、速い曲をイメージしがちだけど、遅くてもスラッシュはスラッシュなんだ。アルバムやライヴをトータルで考えたらメリハリも必要だし、勢い任せにやる曲と、ああいう陰りのある曲と両方があるね。

T: 俺たちのスラッシュは、ヘヴィ・メタルをベースとしたスラッシュなんだ。同じスラッシュでも、パンクやハードコアをルーツにとするスラッシュとは違う。例えば、SLAYERとANTHRAXでは、SLAYERが持つ雰囲気に近いよ。あとはヨーロッパ、とくにドイツのバンドの影響はあるね。

L: 曲についてですが、大日本プロレスにテーマソングを提供した事があるんですね。その話をお願いします。

T: あれはね、ちょっと面白い展開だった。(笑) 知人から話を頂いて、それは良かったんだけど、話が決まってから、締め切りまでに1ケ月くらいしか時間が無くてね。向こうは、既に出来上がった音源があるから少し手直しすれば良い、くらいの気持ちだったみたいだけど、俺たちとしては、ちゃんとした録音で曲を提供したかった。曲の長さが合わないからアレンジを変えたりね。それで、俺とIzuruで何とか形にして、さぁレコーディングをしよう!となった時に、俺たちにはベーシストがいなかった!(笑) 結局、レコーディングの前日までベースが決まらなくて、AxKxIに電話して、頼む!って事で、何とか参加して貰った。あれは当日に初めて合わせたんだっけ?

AxKxI(A): そうだよ!当日にリハをして、そのままレコーディングだったよ。

AxKxI Shimizu(B)

AxKxI Shimizu(B)

L: 唐突な展開ですね。

A: 毎回、そうなんだよ。無茶ぶりばかり。(笑) 連絡貰ったの、前日の夜だからね。曲は、前から知ってたけど、アレンジは変わってたから、曲貰って一生懸命覚えてね。

T: でもやってくれたからね。しかも、かなり良いベース・プレイだった。とても即興とは思えなかった。あれで、また、AxKxIに惚れ直して、絶対に正式メンバーにしたい、と思ったよ。(笑)

L:AxKxIさんが、最初は断っていた正式加入をOKしたキッカケは何だったんでしょう?

T: あ、それ俺も知らないから聞きたい!

A: (笑) 実は俺、一度もメンバーになります、と言った事は無いんだけどね。気が付いたらバンドのホームページで告知されてた。それで、腹を決めたかな。(笑) 元々、俺は、インタビューの最初に名前が出てたCORALってバンドのメンバーで、ベースじゃなくてギターを弾いてたし、今でもGIGATONってバンドでギターを弾いてる。だけど、前々からベースもやりたいと思ったから、その話をIshiguroにしたら、じゃぁCODE REDで!と言ってきた。でも、俺はその時はベースは初心者だったからね。ギタリストだから、そりゃある程度はベースも弾けたけど、それってギターの延長でやってるだけだから。指弾きで、ベーシストとして、ベースのフレーズを弾きたいと思ってた。それで、リハくらいだったら手伝うよ、って思いでCODE REDのサポートを始めたんだ。それが、そのうちライヴにも出るようになって、気が付いたら今の状態だった。(笑)

L: ギターのIshiguroさんはどういうキッカケでCODE REDに参加したんですか?

Ishiguro (Is): 俺は昔からバンドの知り合いだっただけじゃなく、CODE REDの大ファンだった。前のTakahashiさんが辞めてしまって、バンドが動けなくなったという話を聞いた時に、何とか自分が力になりたいと思ったんだ。俺は、本職はドラムだけどギターもやってたし、何かあったらギターでも、ベースでも何でもします!って言ってたんだよ。
俺はきっとベースで誘われるだろうな?と思っていた。だって、抜けたのはベースだからね。そしたら、ギターで声がかかって、驚いたんだけど、とにかくスタジオに入って一生懸命プレイしたよ。何とか気に入って貰えて、メンバーになる事ができて良かった。(笑) CODE REDはそれまでシングル・ギターだったけど、俺が入ってツイン・ギターで演奏したら、曲の雰囲気がだいぶ変わった気がしたな。

Yuichi'ishitta'Ishiguro(G)

Yuichi'ishitta'Ishiguro(G)

T: バンドをツイン・ギターにして幅を広げたかったから、Ishiguroにはギターを頼むことにした。最初に'CHAOS/SALVATION'を合わせたんだけど、ツイン・ギターでやったら震えがくるほどの衝撃だったね。これはいける!って思って、もうツインでやるしかないな、と。その他の過去の曲も、ツイン・ギターにして更にパワーアップできたからこの編成にして良かったと思うよ。

L: ギタリストで曲も書いているIzuruさんは、バンドがツイン・ギターになってどう感じましたか?

I: ツイン・ギターのハモりとか、それまで出来ていなかったアレンジが出来る様になったのは良かったね。シングル・ギターよりも、曲に磨きが掛かった。俺一人でギターを弾くことを想定して書いた曲も、今は全部、ツイン・ギターにアレンジを変えているよ。

L: 話は変わりますが、現在、中国のレーベルからリリース予定がある様ですが?

T: 去年、アメリカのWARBRINGERと一緒に台湾でライヴしたのがキッカケだった。ライヴに合わせて、台湾向けにサンプル音源を配布したら、それが好評で、いろんな人に聴いてもらえて、中国のThrashing Cult Recordsというレーベルから連絡がきたんだ。それで、昔の曲をいろいろ送ったら、とても気に入ってくれて、是非、中国でCODE REDをリリースしたいと言ってくれた。
でも、いま時点で俺たちにはニュー・アルバムを録音できる程の曲の準備ができていない、と言ったら、昔の曲をリ・レコーディングして欲しいと。それで今の編成で、昔の曲を再録してリリースする事になったんだ。中国では今、結構メタルが人気で、フェスもあるから、これが、何かのキッカケになれば良い、と思ってるよ。

Code red

L: CODE REDのライヴの売りは何でしょうか?

T: 本格的なスラッシュ・メタル然としたライヴだね。俺たちは、いわゆる”B級スラッシュ”をやってるつもりは無い。曲も練られていて、リフの中にキャッチーな部分もあるし、メロディもある。幅広い層に楽しんでもらえると思ってるよ。メンバーも、今は割と普通にしてるけど、ステージでは野獣になるからね!(笑) 戦場みたいなステージだよ。

L: CODE RED主催のライヴ・イベント「OBSCENE RITUAL vol.37」5月1日新宿Wild Side Tokyoで行われます。このイベントの紹介をお願いします。

T: ”OBSCENE RITUAL”という企画は、もともと、親交があるFASTKILLと一緒に始めたんだ。スラッシュ・メタルという音楽の活動の場が、だんだんと無くなってしまった時期に、この企画を始める事にした。エクストリームなメタルが好きな人にアンダーグラウンドの強力なバンドを沢山見て欲しい、出演バンドもお互いに刺激しあえる場を作りたい、という思いがあったんだ。
CODE REDの活動が停滞していた時期も企画は続けてきて、今回が37回目!割と続いてるでしょ?(笑) いつも強力なバンドが出ているから、”OBSCENE RITUAL”だから見に行こう!って言ってくれるファンもいるんだよ。

今回のCODE RED以外の出演バンドを簡単に紹介すると、CRUCIFIEDは、海外でもライヴやってきている、勢いのあるスラッシュ・バンドだ。DEATHBLASTは栃木のバンドで、リフも凄いけど、ドラムにもいつも圧倒されてる。GOTSU-TOTSU-KOTSUも海外でやっている。メタルでは珍しく、ベースがスラップがスゴイ。HATE BEYONDは大阪のバンド。歴史のあるテクニカルなスラッシュバンドで、海外のバンドとそん色ないクオリティだよ。このバンドのライヴはあまり見れないから、貴重な機会だよ。NECRONOMICONは福岡のデスメタル。デスなんだけどキャッチーというか、曲が頭に残るんだよね。PORNOSTATEは若手のスラッシュ・バンドで、ツイン・ギターの良いバンドだ。最後は、イタリアから来てくれるPULVIS ET UMBRA。このバンドはRed Rivet RecordsのShiroさんからの紹介で、参加してくれる事になった。世界中を回ってるバンドで、丁度良いタイミングで来日してくれるから、是非一緒に、という事で出演が決まった。強力なバンドが集まってくれるから、是非、期待してライヴに来て欲しい!

Code red

L: 最後にバンドからのメッセージをお願いします。

T: スラッシュ・メタルは日本でも人気があるけど、海外バンドだけをチェックして聴いているファンが多いと思う。勿論、海外のバンドも素晴らしいけど、日本のアンダーグラウンドにも素晴らしいバンドが沢山あるという事を是非、知って欲しい。日本では注目されないのに、海外から曲が評価されている日本のバンドもあるから、侮れないよ。皆で協力して、日本のシーンを盛り上げていきましょう!よろしくお願いします!5月1日Wild Side Tokyoで会いましょう!

Obscene Ritual Vol.37

5月1日 東京・新宿Wild Side Tokyo イベント詳細はこちら
OPEN: 16:30 START: 17:00
前売 ¥2200 / 当日 ¥2500
出演:Code Red / Deathblast / CRUCIFIED / 兀突骨 / Hate Beyond(大阪) / NECRONOMICO(福岡) / Pulvis et umbra(Italy) / PORNOSTATE

Obscene Ritual

CODE RED Official HP