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16作目のアルバム制作を開始

2009年に公開された映画「アンヴィル!夢をあきらめきれない男たち」で話題となったヘヴィメタル界の重鎮ANVILが、16作目のアルバム制作を開始した。映画の中では当時の新作「This is Thirteen(邦題:夢を諦めきれない男たち)」の制作資金を稼ぐためにテレホン・セールスのバイトで悪戦苦闘するメンバーの様子などが納められていたが、今回はなんとPledgeMusicでクラウドファンディングにチャレンジしている。来年でデビュー35周年をとなるベテランバンドの苦難は続いているのだろうか?いや、それは違う。

2013年春に前作「Hope in Hell」をリリースしたANVILは、欧州ツアーをドイツのWackenフェスで締めくくった後、ゲストとしてシンガポールで行われたMETALLICAのライヴに参戦。その後、カナダ、アメリカ、南米をツアーし昨年10月には4年ぶりの来日公演を行い、来日バンドとしては異例の7都市8公演のロングツアーを行った。その際のインタビューでは、2015年頭から新作の準備に入り春にはリリースしたいと語っていた。しかし、日本公演の後、オーストラリア、ヨーロッパを回り、年明けからは2度目のアメリカンツアーと、スケジュールがどんどんと延長された。そのまま新作のレコーディングを始めることなく欧州は夏フェスシーズンとなり、スウェーデンやドイツのフェスへの参戦しながらイギリスでの単独ツアーも行われた。結局「Hope in Hell」リリース後2年以上世界を駆けまわっていた事になる。

もはやANVILは、映画で描かれていた様な、生計を維持するためにバイトを転々として細々とバンド活動を継続していたバンドではないのだ。映画の中でギター&ヴォーカルのLIPS(リップス)が50才の誕生日を迎えていたが、そのLIPSと盟友ロブ・ライナー(ドラム)は来年には60才となる。オヤジ世代どころか初老と言って良い年齢であるが、LIPSは今でもツアー生活は最高だ!と語っていた。

充実のツアー生活を終え、ANVILは満を持して新作の準備にとりかかった。「とんでもない曲ができたぜ!まるで現代のJackhammer(82年の代表作「Metal on Metal」収録曲)の様だ!」とLIPSは自信満々である。

タイトルは「ANVIL IS ANVIL」

新作はドイツでレコーディングされ、タイトルは「ANVIL IS ANVIL」となる模様だ。35年目の節目の年にリリースされるアルバムをファンと共に作り上げたい!そんな思いが今回のクラウドファンディングには込められている。手頃なサイン入りCDから、手書きの歌詞カード、LIPSがギターソロで愛用していたバイブレータといった超プレミアなお宝まで、様々な特典がバンドルされている。因みに最高額は、画家としても活動しているロブの絵画でなんと1,400万円!さすがにこの出品はジョークに思えるが、世界中にカルトなファンが存在するANVILだけにもしかしたら?