メロディアスHR/HMの宝庫、北欧。中でもスウェーデンはその筆頭国と言える。世界的なビッグ・ネームからマニアックなバンドまで、世代を超えて世界中のHR/HMファンにリスペクトされるバンド、ミュージシャンを多く輩出している、メタル大国だ。今回、8thアルバム「Rock of Life (ロック・オブ・ライフ)」を日本でリリースしたBAI BANG(バイ・バング)は、そのスウェーデンで1987年に結成され、88年にデビューを飾っている30年のキャリアを持つベテラン・バンドだ。80年代中期と言えば、EUROPEが世界制覇を果たし、北欧メタルに世界の注目が集まっていた時期とも重なっており、今から振り返っていても北欧メロディック・メタルが最も熱かった時代と言える。

BAI BANGの音楽性は、シンガーでオリジナル・メンバーのデッディ・カステンホルトのミュージカル・ルーツであるKISS、AEROSMITH、T.REXの影響を強く感じるキャッチーなハードロックだ。オープニングの”Crazy Night“から、この手のキャッチーなメタル好きにはたまらない、何のヒネりも無い、歌メロも展開も最初に聴いた時から先が読める(念のためだが、誉め言葉である)キャッチーでメロディアスなHR/HMが全開だ。90年代初頭に流行ったヘヴィ&ファンキー・スタイルの“Hey Hey You”、ハードなリフが印象的で欧州メタル的な“Heart and Soul”、ゴージャスなコーラス・アレンジのタイトル・トラック”Rock of Life“。筆者がこのアルバムのベスト・チューンとして推したい“Stop Messin’ Around”、、、一曲毎に曲の個性が際立つアルバムで、あっという間にアルバムが終わってしまい、繰り返し何度もプレイしたくなるアルバムだ。曲目リストを文末に掲載しているが、曲のタイトルも、なんだかどこかで聞き覚えがある曲名ばかりで、それもまた面白い。
なお、日本盤ボーナストラックには、MR.BIGがカバーした事で有名な、キャット・スティーヴンス“Wild World”が追加収録されているが、ボーナストラックのレベルを超えた出来だ。日本HR/HMのファンにもMR.BIGのレパートリーとして浸透しているバラード曲なので、同じ北欧のPRETTY MAIDSがカバーした“Please don’t Leave Me(ジョン・サイクス)“の如く、意外なブレイクのキッカケとなるかもしれない。

Rock of Life / BAI BANG(バイ・バング)

1.Crazy Night、2.Hey Hey You、3.Heart and Soul、4.Rock of Life、5.Stop Messin’ Around、6.Only the Best Die Young(acoustic version)、7.Smoking Hot、8.Gonna Rock You、9.Runaway、10.Gimmie All Your Love、11.Telephone Line、12.Wild World(Japan bonus)